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抑圧と余暇のはざまで

芸術社会学の視座と後期東ドイツ文学

抑圧と余暇のはざまで

いかにして芸術を社会学的に分析することができるのか。「社会の反映」として、または「社会の外側」にあるものとして考察する。

著者 矢崎 慶太郎
ジャンル 社会
出版年月日 2016/02/29
ISBN 9784881253007
判型・ページ数 A5・228ページ
定価 本体2,600円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに

第1部 芸術社会学の視座
第1章 芸術の社会学的アプローチ
    1.社会の反映としての芸術
    2.社会の外部にある芸術
    3.社会の内部にある芸術
    4.芸術の反映としての社会

第2章 コミュニケーションとしての芸術
    1.自我による思い込みとしてのコミュニケーションとその接続
    2.芸術におけるコミュニケーションのメディアとコード
    3.芸術の組織とスタイル
    おわりに

第3章 芸術の社会的機能―多様性の観察と娯楽
    1.多様性の観察
    2.芸術と機能分化
    3.娯楽と抑圧
    おわりに

第2部 アンダーグラウンド文学の自律化
第4章 アンダーグラウンド文学の組織とスタイル
    1.文学のための(非公開)組織
    2.方法としての「言葉遊び」
    おわりに

第5章 芸術意欲の成立―「つまらない」現実から「楽しい」言葉遊びへ
    1.「沈黙」の消極的受容
    2.世界への無関心から芸術への関心へ―芸術の二値コードの確立
    3.「幻想」世界の誕生―非日常への視点
    おわりに

第6章 アンダーグラウンド文学における反省
    1.「内/外」の区別―芸術の境界線の確立
    2.政治からの離脱
    おわりに

第3部 東ドイツにおける余暇と抑圧
第7章 労働社会における余暇のはじまり
    1.「労働社会」としての東ドイツ
    2.消費の高まりとその抑制
    おわりに

第8章 余暇と芸術の要求運動
    1.労働ノルマ増大への抗議―1953年6月17日暴動
    2.娯楽要求としての“All you need is beat”―ライプツィヒ・ビートデモ
    3.芸術家たちのプロテスト―ビーアマン事件
    おわりに

第9章 精神的抑圧としての監視と検閲
    1.作家と権力―ユートピアの約束
    2.自己検閲とシュタージ
    おわりに

結論
引用文献
あとがき

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内容説明

いかにして芸術を社会学的に分析することができるのか。道徳や経済のように「社会の反映」として、または「社会の外側」にあるものとして考察する。

近代になって芸術が社会から自律するようになると、意図や内容のない作品を制作する欲求が東ドイツで高まる。

芸術社会学的なアプローチでそれらを明らかにする。

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