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東アジア社会における儒教の変容 <社会科学研究叢書> 10

目次

はしがき

第1章 豚と天神
―朝鮮半島の巫俗と儒教の習合をめぐる一考察― 網野 房子
1.はじめに―「二重構造論」再考
2.済州島の祭
3.豚と天神と儀礼
(1)儒教と犠牲
(2)村落儀礼・雨乞い儀礼と豚
(3)豚の供犠儀礼の起源をめぐって
4.一地域社会の豚と天神
5.豚・天神と巫俗・儒教
6.おわりに

第2章 「両班化」の諸相と儒教
―イデオロギーの社会的上昇機能と限界―  仲川 裕里
1.はじめに
2.「両班」とは何か
(1)「両班」の多義性
(2)朝鮮時代の「両班」
(3)韓国社会と「両班」
3.儒教の受容と変容
(1)朝鮮王朝以前の儒教
(2)朝鮮時代の儒教
(3)近現代の儒教
4.「両班化」の諸相と儒教
(1)「両班化」の多義性
(2)現代韓国社会の「両班化」
(3)「両班化」における儒教の役割
5.結びにかえて

第3章 東アジア三国における『剪燈新話』の存在様相 厳基珠
1.はじめに
2.中国における『剪燈新話』の位置づけ
3.朝鮮における『剪燈新話』の伝播のありさま
(1)『金鰲新話』
(2)『剪燈新話句解』
4.日本における『剪燈新話』の伝播のありさま
(1)『奇異雑談集』
(2)『伽婢子』と『雨月物語』
5.おわりに

第4章 身体感覚としての孝
―二十四孝と宝巻にみる孝の実践形態― 前川 亨
1.序論―孝は性的倒錯か―
2.孝の身体性―孝と不孝の弁証法―
3.二十四孝の分析
4.宝巻にみえる孝
5.身体感覚なき孝の世界
6.結語

第5章 「理性の国」と文化大革命
―梁漱溟における儒教の変容― 土屋 昌明
1.はじめに
2.『理性之国』の概要
3.『理性之国』における儒教
(1)イデオロギーとしての儒教の否定・宋明儒教の軽視
(2)孔子の理性に対する集中的な尊重
(3)孔子本人の態度・倫理的実践の重視
(4)儒教による倫理本位社会の正と負
(5)新たな礼楽の建設の必要性
4.儒教と社会主義
(1)中国革命と儒教
(2)レーニン・毛沢東と儒教の接続―自覚性
(3)社会主義の出自と儒教
(4)社会主義と儒教の目標「大同」
5.梁漱溟と文革
6.『理性之国』の狙いと毛沢東
7.結語



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内容説明

東アジアが一つの歴史世界と目されるのは、中国に起源をもつ漢字、儒教、律令制度といった共通文化要素のためである。本書は人類学、文学、思想史等の観点から当該文化の変容を考察し、文化・社会の共通性と多様性を問い直そうとしたものである。

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