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原発と放射線被ばくの科学と倫理  新刊

原発と放射線被ばくの科学と倫理

3.11以降の状況から、科学の倫理を問い直す。

著者 島薗 進
ジャンル 哲学・心理・宗教
社会
出版年月日 2019/03/01
ISBN 9784881253335
判型・ページ数 A5・304ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第Ⅰ部 放射線被ばくと「不安」と「精神的影響」

第1章 科学はなぜ信頼を失ったのか?
第2章 日本医師会と日本学術会議の協働
第3章 「リスクコミュニケーション」は適切か?
第4章 放射線被ばくと「精神的影響」の複雑性
第5章 被災者の被るストレスと「放射線健康不安」
第6章 「心のケア」の専門家と社会

第Ⅱ部 放射線被ばくをめぐる科学と倫理

第1章 加害者側の安全論と情報統制――広島・長崎から福島へ
第2章 多様な立場の専門家の討議、そして市民との対話――権威による結論の提示か、情報公開と社会的合意形成か
第3章 閉ざされた科学者集団は道を踏み誤る――放射線健康影響専門家の場合
第4章 国際政治の中の放射線健康影響専門家――イーリンと重松の連携から見えてくるもの
第5章 ダークツーリズムと「人間の復興」――被災者に近づき、原発事故をともに記憶する
付 録 低線量被曝と生命倫理――加藤尚武との対論

第Ⅲ部 原発と倫理

第1章 原発利用の倫理的限界と宗教の視点――福島原発災害後の宗教界の脱原発への訴え
第2章 村上春樹が問う宗教性・倫理性――祈りと責任を問うこと
第3章 哲学者・シュペーマンの原発批判
第4章 唐木順三と武谷三男の論争



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内容説明

低線量被ばくの健康影響問題は科学的に明らかになっていない。にもかかわらず「科学者」・「専門家」は「安全」・「安心」と断言し、むしろ「不安による精神的影響」のほうが問題だとする。本書は、このような論の妥当性がないことを明らかにしようとする。
さらに、その背景として、現代の科学は人文学、社会科学もふくめ国家意思や経済的利害から自由ではない状況がある。そのような状況を見据え、科学者・専門家の社会的責任や「科学と社会」を倫理から問い直す1冊。

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